【野生のヒグマに出会えた日】
〜来運神社→天に続く道→オシンコシンの滝→知床クルーズ〜
9月8日、旅行9日目。
7:00、起床。おはようございます。
車中泊していたのは、「道の駅 しゃり」。
駐車場があまり広くないので、昨夜到着した時はそこそこ埋まっていたのですが、今朝起きると数台しか停まっていませんでした。
車中泊している車もそこそこいたはずなのに、みんな出発が早いなぁ。
ここは市街地にある道の駅ですが、車通りが少なく静かでぐっすり眠れました。
まずは、朝のお散歩。
今日は曇りですね。
道の駅の近くに、JR知床斜里駅があります。
正面から見るととても新しそうな駅舎ですが、
裏に回ると、タイムスリップしたような感覚になりますよ。笑
線路の横にフェンスがないのが、とても新鮮。
こういう雰囲気が好きです。
市街地なだけあって、登校中の学生がホームにちらほらいます。
待っていたら、ちょうど電車が来ました。
うん、のぶ君はる君は興味なし。
車に戻って朝ごはん。
あれ、はる君いらないの?
今日は船にも乗るし、食べといた方がいいんじゃない。
はる君「昨日食べたクマヤキがいい。」
飼い主「ひえっ。」
はる君の好きな犬用鰹節もかけてあげてるのに、、、
はる君「おこがましいわ!」
、、、私たちも朝ごはん。
道の駅の外観はこんな感じで、とても綺麗な道の駅です。
ちなみにシャリとは、アイヌ語の「シャル」(葦の生えている所)からきています。
館内には、ねぶた?が展示されています。
で、どうやら指定のゴミ袋を購入すると、ゴミを引き取ってもらえるらしいので、、、
9時に売店が開くのを待って、ゴミ袋を購入しました。
一袋数十円で購入でき、旅行中のゴミ問題が大幅に軽減するというなんともありがたいシステム。
「道の駅 うとろ・シリエトク」でもこのサービスを利用したことがありますが、ほんとに助かります。
ありがとうございます!
9:15、「道の駅 しゃり」を出発。
近くに湧水、それも名水が汲める場所があるというので向かいます。
9:35、「来運神社」に到着。
下の地図の赤線で囲まれている場所が、来運地区です。
斜里岳の近くにありますね。
ここ来運地区は古来よりアイヌ民族の聖地で、「ライクンナイ」(死者の沢)と呼ばれていました。
アイヌの方々は、死者(先祖)は生きている人々に自然の恩恵や知恵を与えてくれると考えていたそうです。
また、川の流れが緩やかだったため、「死んだ川」という意味でライクンナイと呼ばれたという説もあります。
この地区が開墾された明治32年頃に、ライクンナイという発音に「来運」という漢字が当てられ、来運神社が創建されました。
運が来るように、という意味が込められています。
車を停めて神社に入って行きますが、神社はペット禁止。
ここまで自然に近い木でできた鳥居は初めてです。
ちょっと電線が残念ですが、すごくいい雰囲気の神社ですよね。
1つ目の鳥居をくぐってすぐの所に、水汲み場があります。
この日もちらほら水を汲みに来ている方がいましたが、地元の方が頻繁に水汲みに来られるそうです。
私たちも、見るからに美味しそうな水を頂きます。
この水は、斜里岳の雪解け水が地中に染み込み、長い年月をかけて湧き出した伏流水です。
毎分5tも湧き出しているこの水は、一年を通して6℃前後に保たれているので、真冬でも凍らないそう。
神社なので、この先に本殿があるのかなぁと思って少し奥に行ってみます。
鳥居もそうですが橋(運水橋)も木でできているので、スリルがあって楽しいです。
↓母が渡っているのが運水橋で、地元の方の手作り
死者の川と呼ぶほど、流れが緩やかだとは感じません。
当時はまた違ったのでしょうか。
道は続いているんですが、どんどん山道になって行きそうなので、すぐに引き返しました。
後で調べたところ、本殿までは山道を5分くらい歩けば着くそうです。
↓これは途中にあった石碑
湧水でできた沢は透明度抜群で、もう少し青ければここも「青い池」と呼ばれるのでしょうか。
9:50、「来運神社」を出発。
さて、これから近くにある有名スポットに向かいます。
〜🚙〜
10:15、「天に続く道」に到着。
天に続く道とは、斜里町から小清水町に続く直線道路のことで、距離に関しては公式には28.1kmだそうです。
ただ、斜里町のスタート地点を出発して18kmの地点で少し道路が曲がっているらしく、笑
”直線”道路にこだわる派の人にとっては、天に続く道は18kmだそうです。
展望台の近くに駐車場らしき場所があります。
交通量は少なく、この時は写真を撮りに来ているのも私達を含め三組ほど。
はいチーズ📸
チーズで目つむる犬。
春分と秋分の頃には、この道路の先に夕陽が沈んでいく絶景が見られます。
↓通称「名もなき展望台」からの景色
実は、この展望台は端ではありません。
展望台からもう少し坂を登った所に、スタート地点があります。
公式の28.1kmだと、地図上ではこうなります。↓
10台くらい停めれる駐車場が整備されていますが、狭いので注意。
そろそろ眠たくなってきたパグを置いて記念撮影。
一応こっちも。
パンフレットに載っているような写真を撮るのは、なかなか難しいですね。
まあ一応撮れたということで、、、
10:30、「天に続く道」を出発。
いよいよ知床半島へ入って行きます🚙
11:10、「オシンコシンの滝」に到着。
国道334号線を知床半島方面に向かって走っていると、オシンコシン崎のトンネル手前にあります。
広い駐車場、売店、トイレが完備されており、売店にはのぶトドの缶詰など変わったものがたくさんあります。
確か、ペット用のお土産にエゾシカの角もあったと思います。
階段を乗ると、水しぶきがかかるほどの距離まで近づけます。
肌寒く感じるくらいマイナスイオンたっぷり。
ここはペットOK。
ちなみに滝名の由来について、元々この辺りはアイヌ語で「オ・シュンク・ウシ」(意:川下にエゾマツが群生するところ)と呼ばれており、それが転じて「オシンコシン」と呼ばれるようになったと言われています。
落差は約30mで、日本の滝100選にも選ばれています。
近くにオシンコシン展望台がありますが、こちらは滝が見えるのではなく、オシンコシン崎と海が見える展望台です。
冬は、流氷が浮いているオホーツク海を眺めることができるそうです。
展望台へのアクセスは、車か徒歩で。
11:33、「オシンコシンの滝」を出発。
途中少し寄り道して、一応「三段の滝」も見ました。
滝マニアのみ訪れるそうです。笑
駐車場もありますが、滝目当てというよりは休憩目的で駐車している車が数台。
ですが、ウトロの秘瀑⁇らしいので、興味のある方は是非。
11:50、「道の駅 うとろ・シリエトク」に到着。
ここは去年も立ち寄りました。ただいま。
去年は暑かった記憶がありますが、今年は風があって涼しいです。
ちなみに建物は、知床番屋をイメージして造られたそう。
番屋とは、漁師さんが泊まり込みで漁をしたり作業したりする小屋です。
この道の駅は知床の玄関口にあり、知床観光の拠点。
観光案内所や売店、レストラン、知床の自然を学ぶ展示もあります。
売店にはお土産はもちろん、魚類も売っていて、すぐ隣の漁港は鮭の水揚げ量が日本一!
水揚げの様子を見ることもできます。
あ、それと、知床の各社クルーズ船の運行状況も、館内に貼り出されています。
レストランで昼食。
↓母は、ざるエビ天そば
北海道産蕎麦粉の二八割蕎麦です。
二八蕎麦ってなんだろうと思って調べると、蕎麦粉8:小麦粉2の割合で打った蕎麦のことなんですね。
十割蕎麦に比べて、つるりとしていて且つ適度なコシもあるそうです。
つまりバランスがいいってことですね。
↓私は、「麦王」の豚丼
麦王は、通常の二倍のスペースで育てられるのでストレスが少なく、知床最高の豚と言われています。
ロースなので脂っこくないか心配でしたが、全く嫌な脂身じゃなくて美味しかったです。
前回の記事でチラッと言いましたが、今日は知床クルーズを予約しています。
15時くらいに現地に到着すればいいので、それまでお昼寝。
私は、バンクベッドでゴロゴロ。
ふと下を見ると、、、
構図が分かりますかね?
運転席と助手席の間に落ちています。
でも、数分後には腕枕で💤
ん〜、寝ている時が一番かわいい!
↓ちなみにこっちは、瞼閉じるのを忘れて寝ています。
こんな感じでみんなでゴロゴロしていましたが、そろそろいい時間になってきました。
14:35、「道の駅 うとろ・シリエトク」を出発。
道の駅から「ゴジラ岩観光」までは400mなので、すぐに着きます。
店の前に着くと、すぐ近くの駐車場へ案内してくださいました。
ゴジラ岩観光さんにはたくさんのコースがありますが、今回選んだのは知床半島クルージングのルシャコース。所要時間約2時間です。
15:30からのコースを予約しているので、先に受付を済ませてから、わんこのお散歩も済ませておきます。
知床にはクルーズを提供している会社がいくつかありますが、その中で公式HPで犬OKと確認できたのは、ゴジラ岩観光さんと知床クルーザー観光船ドルフィンさんの2社。
ゴジラ岩:室外のみ
ドルフィン:小型犬のみ抱っこかキャリーinで室外のみ
どちらもキャビンへの立ち入りはできません。
2社とも値段・所要時間はあまり変わらず、無料駐車場完備。
↓集合時間までお店の前で待機!なのぶ君。
ゴジラ岩観光さんは特にケージinなどの決まりはありませんが、のぶ君はる君はリュックで行きます。
中型犬以上のわんちゃん連れの方は、必然的にゴジラ岩観光さんになりますね。
15:00頃に点呼が始まりました。
呼ばれた順に列になって歩いて行きます。(多分予約順に乗り込める)
ただし、犬連れの場合は、予約順に関係なく一番最後になります。
名前の由来となっているゴジラ岩の横を通って、港へ行きます。
確かにゴジラ、、、
今回お世話になる船がこちら↓
会社やコースによって小型船と大型船が分かれますが、それぞれの特徴は、
大型船:揺れにくいが、岸に近づけない
小型船:揺れやすいが、岸に近づける
私たちはより近くで野生のヒグマを見たいので、岸に近づける小型船にしました。
1階デッキの一番後ろに着席。
夕方の海上なので、防寒具も持ってきています。
船のエンジン音に慣れるまで、耳ガード。
さあ、出港しました。
ドカンという大きな揺れはないですが、常に揺れている状態です。
↓出発してすぐ、プユニ岬を過ぎると「フレペの滝」が見えてきます。
フレペの滝の別名は、「乙女の涙」
次に出てくる「男の涙」と呼ばれる滝と比べて水量が少ないので、ホロホロとなく乙女のようだ、として名付けられました。
↓次に見えてくるのが、「湯の花の滝」
別名「男の涙」
この滝は断崖絶壁に囲まれていて陸地からは見えづらいので、人目を避けて泣く男の涙のようだ、とこの別名がつけられました。(諸説あり)
いづれの滝も、川の水ではなく、知床連山の雨水や雪解け水が地下水となり、断崖から湧き出しています。
↓お次に見えてきたのは、「クンネポール」
海の洞窟ですね。クンネポールとは、アイヌ語で「黒い穴」という意味です。
流氷の侵食によって岩肌に穴が開いて形成された洞窟です。
↓次は、「象岩」
びっくりするくらいわかりづらい写真ですが、岩が象の鼻のように見えなくもない。。。
象岩から少し空いて見えてきたのが、、、
↓「カムイワッカの滝」
知床といえば!な観光地「カムイワッカ湯の滝」の終点です。
硫黄山の中腹から湧き出ている温泉がカムイワッカ川に流れ込み、川自体が温泉みたいになっているのが、カムイワッカ湯の滝です。
途中で温泉が混ざりながらもカムイワッカ川はそのまま海まで続き、最後オホーツク海に流れ込んでいる所がこの「カムイワッカの滝」です。
ちなみにアイヌ語で、カムイ(神)ワッカ(水)つまり神の水という意味です。
川には硫黄成分が多く含まれており生物が生息していなかったため、神の水と名付けられたと考えられています。
さ、次で最後の滝ですかね。笑
↓「ヨウシぺツの滝」
山の裂け目から滝が流れています。
中国の水彩画に描かれてそう。
カムイワッカの滝と同様、硫黄成分が含まれており、別名「硫黄川の滝」とも呼ばれます。
アイヌ語では、「いつもそこで獲物を狙い突きするところ」という意味です。
アザラシ漁のスポットだったのでしょうか。
さ、このクルーズのメインは滝ではなく、、、
野生のヒグマを見ることです。
見所の説明をしてくれている乗組員さんの他に、双眼鏡を持ってずっとヒグマを探してくれている乗組員さんがいます。
このクルーズの折り返し地点である「ルシャ湾」に近づいてきました。
ルシャ湾は断崖が多い知床半島の中で、数少ない海岸です。
鮭などを求めてヒグマがルシャ湾に降りてくるので、高確率でヒグマを目撃できるスポットで、ヒグマの聖地とも呼ばれています。
ヒグマ係の乗組員さんがアナウンス係の乗組員さんに何やら報告に行きました。
お?
直後に、「みなさん、クマがいるようです。」
というアナウンス。
みんな一斉に探し始めます。
小型船なので大型船よりは陸地へ近づけますが、それでも肉眼で見るのは厳しいです。
なので、ほとんどの方が双眼鏡をレンタルしています。
のぶ君、起きて!クマさんがいるって!
どこだ?
あ!いた!
漁をしているのではないか?とのことです。
のぶ君、クマさんいるよー。。。
え?うそ。
ここからもう少し奥の番屋がある海岸も見に行きます。
ここら辺は定置網があるので、少し断崖から離れて大回りして進みます。
あ!またいた。
よく見つけられますね。
さすがプロ。
↓肉眼だとこれよりも遠く感じます。
と、ここで「流氷に押されて倒れた岩」↓がありました。
一本だけ斜めになっていますよね。
プカプカ浮いているだけのように見える流氷ですが、巨岩を倒せるほどの威力があるんですね。
ここにはいるかな?
おぉ!
結構見れるものですね。笑
サービス精神旺盛。
もうこの頃になると、クマなんてそもそも興味がないのぶ君は寝てますよ。
対照的に、私たちは念願だった野生のヒグマが見れてテンションMAX。
↓ここがルシャ湾コースの最奥地点、「19号番屋」がある海岸です。
地元の漁師さんが泊まり込みで漁をする小屋で、なんとここでは人間とヒグマが共存しているんです。
作業をしている漁師さんの数メートル先に、野生のヒグマがいるのも珍しくないそう。
ヒグマは知能が高い動物なので、あまりに近寄って来た時は「向こうに行きなさい。」など短い言葉を繰り返しかけると、離れていくそうです。
排除するわけでもなく飼い慣らすわけでもない、これがここでの人間とクマの共存の仕方です。
さ、ここで折り返して、港の方へ戻って行きます。
帰りも簡単に行きと同じ見所の説明をしてくれますが、ほとんど船をぶっ飛ばしているので数十分で帰れます。
曇っているせいもあって、帰りは寒くてダウンジャケットを着てちょうどいいくらい。
載せきれなかった見所もあり、ヒグマも実際にはもっとたくさん見ることができました。
その数なんと、約15頭!
乗組員さんの話でも、珍しいほど多いそうです。
とてもラッキーでした。
17:30前には港に戻ってきて下船。
体が冷えたので、ゴジラ岩観光さんから車で数分の所にある温泉へ行きます。
17:35:「ウトロ温泉 夕陽台の湯」に到着。
ウトロの高台にあって露天風呂からの眺めがいいみたいなので、まだギリギリ明るい内に滑り込みました。
お風呂はシンプルで内湯、露天風呂がそれぞれ一つずつあります。
木々があるので開けた景色ではないですが、とても気持ちよかったです。
ドライヤーが一台しかないので、混雑する時間帯は避けた方が良さそうですね。
で、私が先に上がったので、車に戻ってわんこの夕食タイム。
18:40、「夕陽台の湯」を出発。
まだ明日も知床を楽しみたいので、お昼にもお邪魔した道の駅に戻ります。
コンビニで夕食を調達して、
19:00、「道の駅 うとろ・シリエトク」に到着。
人間も夕食タイム。
いやー、今日は思い出に残る一日でしたね。
野生のヒグマと出会った記念日💕
実はお天気や波の高さなどで欠航する可能性もあるので(実際に去年は欠航)、旅行日程計画の中に知床クルーズの予備日まで作っていました。笑
今日ダメならまた明日予約を取ろうと思っていたのに、こんなにすんなり、それもたくさんの野生のヒグマに出会えるとは思ってもみませんでした。
完全に飼い主の自己満足ですが、やはりのぶ君はる君と一緒に見れたということに価値があるように感じます。
寝る前に、夜のお散歩。
はる君「知床で散歩なう。」
22:00過ぎ、就寝💤
↓本日の行程